八丈島の賃貸事情

八丈島を知る

このページでは、管理人が実際に八丈島へ引っ越す際に物件探しで苦労した経験から、八丈島の賃貸事情をお伝えしたいと思います。

本土での引っ越しと同じ感覚で物事を進めると、引っ越し予定日までに住む家が決まらなかったり、引っ越し当日になって物件に重大な瑕疵が発見されたりと、島での新生活に深刻な影響を及ぼす事態になりかねません。

引っ越し予定日が近くなってから慌てないように。また、島に来てから困らないように。早めに情報収集を行ってじっくり検討し、余裕を持って契約をすることが大切です。

これから八丈島へ移り住もうと考えているあなたが理想の住居を手に入れ、豊かな島暮らしを実現出来るよう、本土からの移住者目線で要点をまとめたつもりです。ぜひご参考にして頂けたら幸いです。

条件に合う賃貸物件は少ない。物件探しはお早めに

現在八丈島には不動産屋さんが3件あり、そのうち2件が賃貸の仲介を行っています。そのため賃貸探しの相談はしやすいのですが、物件の絶対数が少ないので実際のところ移住者にとって希望の条件に合う理想の物件を見つけることは難しいです。

私自身、単身で八丈島へ移住した身ですが、民間の賃貸をいくつか案内して頂いたものの、なかなか理想的な物件に出会えず結局は町営住宅に入居することになりました。人によって様々なご事情があると思いますが、思い付く限りでは以下のような理由で条件に合わず、入居を決められないケースが多いです。

・家賃が思ってたより高い(島ならすごく安いと思い込んでいる人も多い)

・一戸建てに住みたいけど集合住宅や長屋タイプしか空いていない

・初期費用が高すぎる(初期費用4ヶ月分超えの物件も)

・家族暮らしには狭い。部屋数が足りない・ボロすぎる(掃除もされておらず土足で内覧した物件も・・・)

・設備が昭和のまま(和式便器、バランス釜の正方形の風呂 等・・・)

・雨漏りしている(大家さんによるリカバーが期待できない物件も多数)

・ペットが飼えない・虫がすごい(虫嫌いの人には厳しい家も多数)

本土では賃貸として成立しないような状態の物件であっても、募集が掛けられている家もあります。ボロい、汚れている、虫が出るなど、都会での綺麗な暮らしに慣れた方にとっては厳しい状態の家もあり、実際の募集物件数に対して、本土からの移住者様の多くが望まれるような条件に合うような物件は少ない印象です。

逆に綺麗にリフォームされた物件だと家賃が高くなり、本土の相場では妥当だったとしても島内で仕事をする人の所得水準に対しては厳しい金額になることが多いです。リモートワークや本土との行き来を中心とした仕事で、本土と同等の所得を維持できる人にとってはこのような物件は理想かもしれません。

八丈島の家賃相場は、管理人の体感ではありますが一戸建てで6~10万円、集合住宅で4~7万円といった印象です。4万円を切るような物件は民間では滅多に見かけません。

離島は建築資材の輸送コストや大工さんの人件費も割高なため、ちゃんと賃貸として提供できる状態で物件を維持しようとすると、貸す側の負担も大きいという背景があります。

住居タイプとしては単身~2人世帯向けの小さな一戸建てアパートが多く、小世帯でも一戸建てに住む文化が強いです。集合住宅は個人大家所有の物件ではほとんど存在せず、民間会社所有が少しあり、大半は町営住宅で提供されている印象です。

一戸建てであっても、4人以上のご家族がゆとりを持って暮らすのに適した広い物件は少ないように感じます。特にお子さんが複数人いらっしゃるご家族で移住される場合は、かなり早い段階から探し始めないと見つからない可能性が高いです。

仕事が決まってから・・・、引っ越し日が決まってから・・・などと悠長に構えていたら、直前になって住む家がなくて焦るという事態になりかねません。早めに探し始めることで退去予定時期の決まっている物件を押さえることが出来るケースもありますので、移住を考えたらまず何よりも先に住居を確保することが大切だと思います。

優先順位としては 家>仕事>車 です。

雇う側としても、本当に島で働く気があるのか?というところを気にしている事業者さんが多いです。採用したのに結局約束の日に島に来てすらいなかった・・・というケースもあるからです。

ですから、住む家が既に決まっていることは採用側にとって何よりの移住の意思証明となり、内定の確率を上げることにもなるでしょう。

家探しは何よりも先に・・・これが八丈島移住で失敗しない最も大切なことだと考えます。

 

町営住宅は家賃の安さが魅力だが…入居条件を満たせない場合が多い

町営住宅は家賃の安さが魅力で、集合住宅なら1万円台~、一戸建てでも2万円台~という格安の家賃で住むことが出来ます。しかも築年数の浅い綺麗な物件も多く存在するため、民間の賃貸と比べてコスパは良いと言えます。

しかし実際には、そのような理想的な状態で入居できるケースは少ないです。町営住宅に住む上で主に制約になると思われることを並べてみます。

・世帯所得が月158000円(中学生以下の子供がいる世帯、高齢者世帯は214000円)を超えていると入居できない

・単身者は最長3年までしか住めない物件が多い(再申し込み、抽選という形で再度当選すれば引き続き住めるようです。)

・入居開始後に所得が増えると家賃が青天井に上がる

・ペットが飼えない

・八丈島に住民票のある連帯保証人が必要

このような制限があるため、誰でも住めるわけではありません。

特に所得という点では、本土で既にお仕事を持っている現役世代の方は大半が基準を超えていて入居条件を満たせないのではないでしょうか。

入居開始時にこの条件を満たしていても、島で働き始めてから所得が上がった場合や、ご夫婦で暮らしていて共働きをした場合、家賃が毎年上昇していくというケースをよく聞きます。所得によってはその金額が民間の相場を大きく超えるそうで、毎年家賃が上がる不安を持ちながら暮らすのが嫌だと言って、既に町営住宅に住んでいても民間の賃貸へ移る人も多いです。

そのため、初期の条件を満たせる人は移住の足がかりとして安い家賃で入居し、しばらく住んで島暮らしの基盤が出来たら民間の賃貸を探すという流れを取るのが賢明なのではないかと思います。

 

海が見える物件はほぼ無い

島暮らしというと、綺麗な海を眺めながら暮らせる家での生活を夢見る人も多いのではないでしょうか。

しかし残念ながら、部屋から海が見えるような眺望の良い物件は八丈島にはほぼありません。理由は単純で、強風の影響を避けるためです。

八丈島は一年を通じて風が吹く島で、特に台風が来た時の風の強さは本土の比ではありません。そんな島で海が見える家を建てるということは、海からやってくる強風を直に受けるということでもあります。

そのような家は台風の直撃を受ければ簡単に吹き飛んでしまうでしょう。実際、バブル期に分譲された吹きさらしの土地に建てられた安い木造別荘などは、現在跡形も残っておらず、鉄筋コンクリート造の物件のみがぽつんと生き残っていたりする状態です。

そのため、八丈島の木造家屋は基本的に平屋建てで、建物の周りを防風林で覆われていることが多いです。

上の写真をご覧頂ければお分かりになると思いますが、八丈島の家は森の中に埋もれるように建っている建物ばかりです。このように周りを木で覆うことで強風の直撃を避け、簡素な木造建築であっても強力な台風に耐えることが出来るようになっています。

それゆえ、窓の外は木々が生い茂る森の中のような景色となるわけで、たとえ海が近くても眺望とは程遠い家がほとんどです。

八丈島で眺望の良い家や二階建ての家を建てるなら鉄筋コンクリートや鉄骨造りが絶対で、そのような一戸建ての物件はなかなか賃貸に出てくることはありません。
どうしても眺めの良さが欲しい方は、数は少ないですが2階建てや3階建ての集合住宅タイプの賃貸で、上層階を借りるのが現実的だと思います。

八丈ハウスでは綺麗な海を眺めながら暮らすという夢を実現できる物件を取り扱っています。
下記物件にご興味ある方はご連絡ください。

こだわり賃貸物件⑥ 八丈小島の絶景を一望する、秘境の古民家
こちらの物件は現在満室ですご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。TEL 090-6577-4034メール linerunner68@gmail.com こちらの物件へ繋がる取付け道路は当初悪路のため4WD車でしか到達が困難でし...
こだわり賃貸物件③【太平洋を一望するコンクリート2階建て】
こちらの物件は現在満室です。 八丈島の中でも数少ない、太平洋を一望出来る立地にある賃貸物件です 【コンセプト】 絶景に彩られた日常この物件は中之郷という八丈島の南西に位置する地域の高台にある物件です。当時別荘として、莫大な予算を投じて土地の...

車がないと生活できない家がほとんど

車の画像

本土の田舎でもよくあることですが、八丈島は完全な車社会です。

公共交通は2時間に1本程度の路線バスくらいしかなく、終バスも18時台と非常に早いです。車がなくても自転車でいいという考え方は、八丈島では通用しません。

八丈島は山の頂上が海面に突き出ているような地形のため、島の中心部から海に向かって下るような傾斜した地形となっており、島内の道路はほとんど坂道です。

また塩害が強く外に置いた自転車はあっという間に錆び付いていき、おまけに亜熱帯気候で突然の豪雨に見舞われるケースも多いので、 車の代わりに自転車を使うのは難しく、 八丈島では自転車に乗るという文化がほとんどありません。

そのため本土のように自転車で買い物へ行くというライフスタイルが成り立ちませんので、車なしで生活するのは困難です。

お子さんがいらっしゃるご家庭では、お子さんが学校へ通うのにも路線バスは使いづらく、送迎バスもなく、高校は島内に1箇所しかないため家によってはかなり遠くなる場合もあります。このような場合にお子さんの送迎が出来ない状況ではとても厳しいと思われます。

このような事情から、提供されている賃貸物件の大半が車を持っていることが大前提の立地となっています。

普段は郵便局のATMとスーパーさえ行ければ困らないという人であれば、いずれも徒歩圏内に位置するエリアも無くはないですが、そのような便利な地区では家賃も高めで、条件に合う賃貸物件を探すのは簡単ではありません。

最低でも原付バイクが必要。バイクならスーパーカブがおすすめ

八丈島で暮らすのに車を持たない場合は、最低でも原付バイクは必要でしょう。ご高齢で既に運転免許を手放された方は、十分なお金を用意して毎回タクシーを利用されるくらいしかありません。若い人で免許すら取っていないという方は、最低でも原付免許だけは取ってから移住しましょう。免許なしで八丈島に来てしまった後でも、年に1回、島で運転免許を取ることが出来る機会があります。

原付バイクもサビが回るのがとても速く、安物のスクーターではあっという間にやられてしまいます。特にチューブレスタイヤの車両はホイールが錆びてタイヤがエア漏れを起こし、パンクしてしまったというケースがよく見られます。酷いものでは燃料タンクが錆びて、気付いたらタンクに穴が開いてガソリン漏れしていたというケースもありました。

そのためバイクであってもスーパーカブのような、チューブタイヤを使用していてかつ頑丈な車種を選ぶか、スクーターであれば防錆処理をきちんとしたり、チューブレスタイヤにチューブを入れるなどの工夫が必要になります。

最後に

八丈島移住に関してご相談をご希望の方や、ご提供中の賃貸物件の内覧をご希望の方、その他ご契約をご希望の方はお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

あなたが八丈島移住で困ることがないようアドバイスさせていただきます。

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